kzm.の雑記帖・・・・mちゃん(夫さん)のこと、日々のこと

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夫さんとの思い出、毎日の生活で感じたことを記録しています。

2018年 02月 20日 ( 1 )

アリアドネの弾丸

うっかり夫さんが好きだった「チーム・バチスタ」ものなので、
「アリアドネの弾丸」の再放送の最初だけ視聴してしまった。
一緒に見ていたはずなんだけれど、中身を忘れてしまっていた。



夫さんは心筋梗塞で、ドール手術(バチスタ手術はドール手術のひとつ)を受けていた。
なのでチーム・バチスタが大のお気に入りだった。
原作も読み、ドラマも欠かさず観たし、
二人で映画も観た。
「自分の心臓の手術観ているみたいで怖くないの?」と訊いたが、
「しょせんドラマだし、ボクが現実知っているんだから、その違いも面白いじゃない?(笑) こっちは成功例が多いドール手術しました、って威張れるし。」って感じ。

同じ原作者が書いた「死因不明社会 Aiが拓く新しい医療」も読んでいた。

「アリアドネの弾丸」は司法と医療の戦いを主軸にしている物語。
警察・解剖医・死亡時画像(Ai)診断推進者との意見の食い違いも描かれている。
夫さんのちょっとうるさい説明を聞きながら、欠かさずふたりで観ていたな。
楽しい思い出。

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ここからは、夫さんがいなくなった日の話です。

リアルなしんどい話で、楽しくないので、あまり読まないほうがいいと思います。
でも誰にも言えない事だったから、記録はしておきたいのです。






ドラマを見て、あの日あったことをまた考えてしまった。すごく鮮明に覚えている。

夫さんの事故の日。
数時間警察署のロビーのベンチでただ待っていた。

でも担当の警官は本当によくしてくれた。
「まだお体が温かいので手を握ってあげてください」と言ってくださったことに本当に感謝しています。
私は半分頭の中がまっしろで縋り付いたり、泣きわめいたりそれすらもできなかったから。


でもその後、死因がはっきりしないとのことで解剖を勧められたのだ。
これからがまた長かった。

私はもうこれ以上夫さんの体に絶対メスは入れたくなかった。
手術で20センチぐらいの大きな傷があったから。
2時間ぐらいごねたかな。
時間は過ぎていくし、担当の警官に申し訳ないし、でもしたくないし、向こうも困っているし・・・でもうんと言うまで説得は続くだろうことは予想ついた。

本当に泣く泣く了承した。
その後、長い裁判になったとき、これはまあ役にたったけれど。

ようやく私が承諾したあと、警察が医大に電話した。
私は当然すぐ解剖してその日に帰ってくれると思った。
「解剖医の予定がつかなくてご帰宅されるのは3日後になります」と担当の警官は申し訳ない様子で言った。
でも「それだったら、やっぱり嫌です」という気力もなかった。

怒涛のようにようやく葬儀が終わり、一人ぽーーっとしていたら、医大からの封書が。
解剖の請求書だった。
警察に「お願いされた」のだと思っていたのに、請求書?


司法解剖と行政解剖の違いも判らなかったし、
費用がかかることも知らされなかった。
お金云々じゃないけれど、丁寧に説明してほしかった。

葬儀屋さんに「解剖されたご遺体は傷みやすいんですよね」と言われた時もショックだった。

エバーミングも知識があったらしたかもしれない。


以来、ドラマでも解剖のシーンを見ることができない。

もし夫さんが私だったら、解剖をOKしたかな。
私が「もし脳死になったら臓器移植したい。」といったことがある。
その時夫さんは、「ボクは絶対嫌だ。体が温かいうちはだめだ。」といった。
そういう人だから、説得されなかったかもしれない。
「Aiなら承諾します」ぐらいは言いそうだ。
私は子どものように、「嫌なんです」を繰り返したが、
夫さんは理路整然と知識を総動員して反論したはず。そんな人だった。


楽しかった思い出も、辛かったことも思った「アリアドネの弾丸」だった。
伊藤淳史君の田口先生も、仲村トオルさんの白鳥圭輔も大好きだけど、
たぶんもう見ない。













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by kzmblog | 2018-02-20 00:04 | TV・映画 | Comments(0)